ロシア政府が、米国との経済協力に向けた提案を検討している可能性が浮上しました。驚くべきことに、その中にはロシアが長年排除しようとしてきた「ドル決済システムへの回帰」が含まれているといいます。ウクライナでの戦争後を見据え、米国との関係構築を探る動きとみられます。

📄 ロシアが「ドル復帰」を提案

米メディアのBloombergは、今年作成されたロシア政府の高官級メモを閲覧したと報じました。この文書は7項目で構成されており、将来的な和平合意後に、ロシアと米国の経済的利益が重なる可能性のある分野が示されています。特に注目されるのは、ロシアの「ドル決済システムへの復帰」が含まれている点です。この提案には、エネルギー取引において再び米ドルを使用する可能性も記されています。

🔄 これまでの「脱ドル」方針を転換

今回の提案は、ロシアの従来の方針とは大きく異なります。同国は長年、経済における米ドルへの依存度を減らす「脱ドル」を目標としてきました。2022年の戦争開始後、西側諸国の制裁によってドル経済圏から切り離されたことで、その動きはさらに強まっていました。その後、ロシアは中国やインドとの貿易で代替通貨の利用を拡大させており、国内では中国人民元が最も取引される外国通貨となっています。Bloombergは今回判明した措置について、「クレムリン政策の驚くべき方向転換」だと評価しています。

🇺🇸 米国の関心を引くための材料

ロシア側が提示した協力分野は、エネルギーや資源など多岐にわたります。具体的には、石油や液化天然ガス(LNG)の共同事業、原子力分野での協力が挙げられています。さらに、リチウム、銅、ニッケルといった原材料分野での連携も提案されています。文書に詳しい高官らは、これらの項目について、トランプ氏を合意に向かわせるための曖昧な約束にすぎない可能性があると述べています。

🇺🇦 ウクライナは警戒感を強める

この動きに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は警戒を強めています。大統領は数日前、ロシアと米国が大規模な経済協定について協議していると述べました。大統領はこの協議を、ロシア政府系ファンドのトップでプーチン大統領の側近とされるキリル・ドミトリエフ氏にちなんで「ドミトリエフ・パッケージ」と呼んでいます。文書に詳しい高官らは、こうした提案が米国とウクライナの欧州同盟国との間に亀裂を深めることを狙っている可能性があると推測しています。

※この記事は、ロイターおよび関連報道に基づき作成しています。

【参考URL】https://www.reuters.com/world/kremlin-memo-outlines-potential-usrussia-economic-pact-under-trump-bloomberg-2026-02-12/
【参考URL】https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-02-12/russia-memo-sees-return-to-dollar-system-in-pitch-made-for-trump
【参考URL】https://www.swift.com/news-events/news/message-swift-community
【参考URL】https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2022/03/02/russia-s-military-aggression-against-ukraine-eu-bans-certain-russian-banks-from-swift-system-and-introduces-further-restrictions/
【参考URL】https://www.mofa.go.jp/press/release/pressite_000001_01656.html