イタリアの高速鉄道「イタロ」が、イーロン・マスク氏率いるSpaceXの衛星インターネット「Starlink(スターリンク)」を全車両に導入すると発表しました。時速300kmで走行中でも、途切れない高速通信が可能になります。2026年半ばから順次開始され、2027年にはすべての列車で利用できるようになる見通しです。

🚄 時速300kmでも「爆速」ネット

イタリアの大手高速鉄道会社イタロは、すべての車両にStarlinkの通信設備を搭載することを決めました。大手高速鉄道会社が、保有するすべての車両で衛星経由のインターネット接続を提供するのは世界初の試みとなります。

今回の決定の背景には、約1年間にわたる実証テストの成功があります。時速300kmで走る列車で行われたこのテストでは、最大400Mbpsを超える通信速度を記録しました。さらに、通信の反応速度を示す「遅延」も25ミリ秒(0.025秒)という低さを達成しています。

この数字は、オンライン会議や動画視聴がストレスなく行えるレベルです。実際、テスト車両で利用した乗客へのアンケートでは、85%が「非常に満足」と回答しました。5段階評価では51%以上の人が満点の「5」をつけ、約8割の人が「これまでのWi-Fiより良かった」と評価しています。

📡 なぜ「宇宙のネット」なのか

これまで、高速鉄道の車内Wi-Fiには「繋がりにくい」という課題がありました。トンネルや山間部、あるいは基地局が少ない地域を高速で移動するため、どうしても電波が不安定になりがちだったからです。

しかし、乗客は車内で仕事をしたり、映画を見たりと、安定した接続を求めています。そこでイタロが選んだのが、空から電波を降らせるStarlinkでした。

Starlinkは、地球に近い「低軌道」を周回する多数の衛星を使って通信を行います。従来の静止軌道衛星に比べて地球との距離が近いため、通信のタイムラグが圧倒的に少ないのが特徴です。SpaceXの担当者は、インフラが整っていない場所や自然の障害がある場所でも、信頼性の高い接続を提供できると説明しています。

📅 2026年から体験が変わる

この新しい接続サービスは、2026年の半ばから導入が始まり、2027年には全車両への設置が完了する予定です。

イタロはこの動きを、単なるWi-Fiの改善にとどまらず、車内での過ごし方を変える「マルチメディアサービス拡充」の第一歩だと位置づけています。高速で安定したネット環境が整えば、乗客は移動中も自宅やオフィスと同じように、ストリーミングやオンラインゲーム、ビデオ通話を快適に楽しめるようになります。

イタロのCEOは、「世界初の大手高速鉄道会社としてこの技術を採用する」と述べ、何百万人もの旅行者に新しい体験を届ける意欲を示しました。移動中の「ネットが遅い」というストレスが、過去のものになる日が近づいています。

※この記事は、ロイターおよび関連報道に基づき作成しています。

【参考URL】https://www.reuters.com/business/aerospace-defense/italian-rail-operator-italo-picks-starlink-satellite-internet-trains-2026-02-12/
【参考URL】https://italospa.italotreno.it/en/press-office/press-releases/2026/italo-introdurra-starlink-su-tutta-la-flotta.html
【参考URL】https://www.starlink.com/legal/documents/DOC-1525-57370-71
【参考URL】https://www.icomera.com/icomera-and-spacex-starlink-to-transform-onboard-rail-connectivity/