検索して、比較して、悩んで……。そんな買い物のスタイルはもう過去のものになるかもしれません。Googleの広告部門を率いるVidhya Srinivasan(ヴィディヤ・スリニヴァサン)氏は、2026年を業界にとっての「拡張の瞬間(expansionary moment)」と位置づけました。AIがユーザーの代わりに商品を選び、決済まで済ませる。そんな「スピードと正確性が両立する世界」が、すぐそこまで来ています。

🔍 検索が「会話」に変わる

私たちがネットで買い物をするとき、「すぐに欲しいけれど、失敗して後悔したくない」というジレンマを感じることがよくあります。Googleはこの悩みをAIの力で解消しようとしています。

これまでのキーワード検索に代わり、主役になりつつあるのが「AI Mode(AIモード)」と呼ばれる対話型検索です。これはAIとの会話を通じて最適な情報にたどり着く新しいスタイルです。Googleはこの中で、単なるリンク集ではなく、会話の流れに沿った「動的な体験」として広告を表示するテストを進めています。

たとえば、旅行の計画をAIと相談している最中に、文脈にぴったりのホテルやプランが提案されるイメージです。これにより、ユーザーはインスピレーションを得ると同時に、そのまま予約などのアクションへ移行できます。もちろん、それが広告であることは「広告ラベル」などにより明確に表示されます。

🛒 「AIにおまかせ」で決済まで

さらに驚くべきは、AIが単なる「検索係」を超えて、「購入代理人(エージェント)」になり始めていることです。Googleはこれを「エージェント型コマース」と呼び、すでに環境整備を進めています。

その基盤となるのが、2025年に開始された「AP2(AIが支払いを代行するための手順)」や、企業とAIエージェントを安全につなぐ共通規格である「UCP(ユニバーサル・コマース・プロトコル)」です。これは要するに、「AIがユーザーの意図を汲み取り、安全に買い物かごへの追加から決済までを完結させる仕組み」のことです。

実際、この仕組みによって、米国の消費者はGoogle検索のAIモードやGemini(ジェミニ)アプリから離れることなく、Etsy(ハンドメイド・マーケットプレイス)やWayfair(家具通販)の商品を購入できるようになっています。すでに数百の企業がこの統合に関心を示しており、この流れは今後さらに加速する可能性があります。

🎨 広告もAIが作る時代

裏側のシステムだけでなく、企業が配信する広告の内容もAIによって大きく変化しています。その中心にあるのが、Googleの最新AIモデル「Gemini 3」です。

Gemini 3は、広告ツールを支えるエンジンとして、より低コストで広告素材(クリエイティブ)を生成します。実際、2025年の第4四半期だけで、AIによって約7,000万件ものクリエイティブが制作されました。これにより、企業は膨大なパターンの中から、個々のユーザーに最も響く広告を自動で提供できるようになります。

Googleは、AIが消費者のパートナーとしての役割を強める中で、プライバシーとデータセキュリティを守ることが戦略の中核であると強調しています。便利さと安心感を両立させながら、私たちの「買い物体験」は今、大きな転換点を迎えています。

※この記事は、関連報道に基づき作成しています。

【参考URL】https://blog.google/products/ads-commerce/digital-advertising-commerce-2026/
【参考URL】https://cloud.google.com/blog/products/ai-machine-learning/announcing-agents-to-payments-ap2-protocol
【参考URL】https://support.google.com/google-ads/answer/16756291?hl=en
【参考URL】https://www.nielsen.com/news-center/2026/streaming-shatters-multiple-records-in-december-2025-with-47-5-of-tv-viewing-according-to-nielsens-the-gauge/
【参考URL】https://www.japaneselawtranslation.go.jp/en/laws/view/4241/en