
📢 「謝罪だけでは足りない」と警告
金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹であり実力者の金与正氏は、韓国政府の対応に強い不満を示しました。きっかけは、韓国の鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官が火曜日に出した声明です。鄭長官は、北朝鮮が主張するドローン侵入について「深い遺憾」を表明し、「相互承認と平和的共存」を目指すと強調していました。
金与正氏はこの発言について、「分別ある行動だ」と一定の評価をしています。しかし、言葉だけでは解決にならないとして、二度とドローンを飛ばさないための「より強力な措置」を講じるよう韓国側に求めました。
さらに同氏は、もし再び主権を侵害するような挑発があれば、「恐るべき対応を招くことになる」と明言しています。具体的には、検討中の複数の反撃計画の中から一つが選ばれ、それが実行されれば「比例性(相手の攻撃と同程度の反撃)」の枠を大きく超える報復になると威嚇しました。
🕵️♀️ 謎のドローンと韓国の苦しい立場
今回の騒動の発端は、北朝鮮上空で発見された正体不明のドローンです。北朝鮮側は、韓国が昨年9月と今年1月に偵察用ドローンを飛ばしたと主張し、先月から激しく非難していました。これに対し韓国政府は、北朝鮮が指摘した時期にいかなるドローンも運用していないと公式に否定しています。
しかし、事態は複雑です。韓国の法執行当局は、国境地帯から北朝鮮に向けてドローンを飛ばした疑いで、民間人3人を捜査しているからです。政府が関与していないとしても、民間人が勝手に行った可能性が残っています。
こうした状況を受け、韓国統一部は緊張を和らげるために動きました。同部は、今回のドローン飛行疑惑が南北の緊張緩和という原則に反すると認め、再発防止に向けた措置を講じる予定だと説明しています。ただし、その具体的な内容は明らかにしていません。
🇰🇵 党大会を前に高まる緊張感
北朝鮮がこのタイミングで強硬な姿勢を見せる背景には、国内の政治事情があります。アナリストなどの専門家は、2月下旬に予定されている「朝鮮労働党大会」に向けた動きだと分析しています。重要な政治イベントを前に、外部の敵を作ることで国内の反韓感情を高め、体制を引き締める狙いがあるためです。
5年ぶりに開かれるこの党大会では、金正恩氏が掲げる「二国家体制(韓国を別個の敵対国とみなす方針)」が党のルールである規約に盛り込まれる可能性があります。北朝鮮にとって、今回のドローン問題はこの新しい敵対方針を正当化する格好の材料となり得ます。
2019年以来、南北間の公式な対話は途絶えたままです。核問題をめぐる対立も深まる中、韓国政府は対話の再開を模索してきました。しかし、今回のドローン騒動と金与正氏の激しい警告により、関係改善への道のりはさらに険しいものになりそうです。
※この記事は、ロイターおよび関連報道に基づき作成しています。
【参考URL】https://www.reuters.com/world/asia-pacific/north-korea-says-south-korea-should-take-steps-prevent-violation-its-sovereignty-2026-02-12/
【参考URL】https://www.reuters.com/world/china/what-watch-north-koreas-ninth-party-congress-2026-02-13/
【参考URL】https://www.npa.go.jp/english/uas/uas.html
【参考URL】https://www.mlit.go.jp/koku/drone/en/
【参考URL】https://ihl-databases.icrc.org/en/customary-ihl/v1/rule14