
📉 大手メーカーを襲うリコールと株価暴落
欧州の自動車業界に衝撃が走りました。BMWは、最悪の場合に車両火災につながる恐れがあるとして、世界で33万台を超える規模のサービスキャンペーン(リコール・無償修理)を発表しました。この発表は、技術的な問題が依然として大手メーカーの足かせとなっている現実を突きつけました。
市場の動揺は株価にも直結しています。フィアットやプジョーなどを擁する欧米自動車大手ステランティスの株価は、直近の金曜日に約25%も急落し、投資家に衝撃を与えました 。その前日にはボルボ・カーズも同様の株価下落を記録しており、業界全体で業績悪化への懸念が強まっています。背景には、世界最大の自動車市場である中国で、政府補助の縮小などにより1月のEV販売が大幅に落ち込んだことや、各社の株価下落が続いている状況があります。
🇨🇳 中国勢の台頭と新たな安全規制
市場の混乱をよそに、中国メーカーは着実にシェアを広げています。2026年の初めには、ポーランド市場において中国ブランドのシェアが初めて10%を突破しました。しかし、急激な普及に伴い品質トラブルも報告されています。ある新車購入者は「納車後わずか70kmの走行でチェックエンジンランプが点灯した」と語り、別のドライバーは5,000km走行時点でエンジン不調に見舞われ、「二度と買わない」と強い不満を漏らしました。
こうした品質問題に加え、安全性への規制も強化されています。中国では来年から、EVで普及した「格納式ドアハンドル(フラッシュドアハンドル)」の搭載が事実上、禁止される見通しです。見た目はスマートで空力性能にも優れますが、事故などの緊急時に電力が遮断されると、車外からドアが開けられなくなる救助上のリスクが指摘されてきました。実際に、奇瑞(チェリー)汽車のブランド「ジェットゥーア(Jetour)」の「Dashing」などのモデルでは、操作性や安全性に不安を覚える声がユーザーから上がっており、こうした実情を受けて当局が規制に乗り出した形です。
⚖️ 関税ルールを巡る駆け引きと未来
欧州と中国の対立構造は、新たな局面を迎えつつあります。欧州委員会はフォルクスワーゲンに対し、中国で生産・輸入するEVの一部について、追加関税を免除する初の措置を認めました。この決定を受け、中国の自動車大手各社も同様の枠組み(価格約束)の活用を模索し始めており、欧州市場における競争環境は一層複雑化する見通しです 。
各社が戦略を見直す中、テスラのイーロン・マスク氏は「モデルS」と「モデルX」の生産終了を発表しました。カリフォルニア州のフリーモント工場では、生産ラインを撤去し、その跡地にヒューマノイドロボット「オプティマス」の量産ラインを設置する計画です。あわせて、マスク氏はテスラ株の売却を含む大規模な資産整理に着手したとも報じられており、「自動車メーカー」から「AI・ロボット企業」への転換を見据えた動きが加速しています。
※この記事は、ロイターおよび関連報道に基づき作成しています。
【参考URL】https://www.reuters.com/business/autos-transportation/vws-seat-says-cupra-tavascan-model-spared-eu-duties-chinese-ev-2026-02-10/
【参考URL】https://www.reuters.com/business/retail-consumer/bmw-recalls-hundreds-thousands-cars-bild-reports-2026-02-11/
【参考URL】https://www.reuters.com/business/autos-transportation/where-chinese-automakers-have-gained-most-ground-europe-2026-02-11/
【参考URL】https://www.reuters.com/world/asia-pacific/chinas-auto-sales-extend-declines-january-2026-02-11/
【参考URL】https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/faq_sub/answer005.html