| 上富良野岳で台湾籍の男性が遭難した現場(道警提供) |
整備されていない雪山をスキーやスノーボードで滑る「バックカントリー」中、雪崩に巻き込まれる事故が道内で相次いでいる。外国人を中心にバックカントリーを楽しむ人が増えており、道警や専門家が注意を呼びかけている。
■深さ4メートルに埋もれる
上富良野町の上富良野岳では5日、40歳代の台湾籍の男性が雪崩に巻き込まれ、道警のヘリコプターが救助。10日には近くの三段山で20歳代のカナダ人男性が雪崩に巻き込まれ、意識不明の重体となった。いずれもバックカントリー中だった。
雪崩事故などを研究する「日本雪氷学会」の北海道支部が両現場を調べたところ、固い雪の上で不安定な雪の層が崩れ落ちる「表層雪崩」が起きていた。
上富良野岳の現場では、南西斜面で男性がスノーボード中に雪崩を誘発し、この震動で北西斜面で別の雪崩が発生。男性は二つの雪崩に巻き込まれ深さ約4・1メートルの雪の中に埋もれたという。三段山の現場では幅約100メートル、長さ約470メートルの雪崩が発生していた。
雪同士の接着が弱い層から崩れていたといい、不安定な状態は数日から数週間続くとみられる。13日に札幌市内で記者会見した同支部の佐々木翔平さん(33)は「入山前から天気の情報を集め、リスクを把握することが大事」と話した。
■「山に行かないで」
コロナ禍が明けて以降、バックカントリーによる遭難者数は増加傾向にあり、外国人が多くを占める。
道警地域企画課によると、2022年シーズンの遭難者66人のうち21人が外国人、24年は94人のうち76人が外国人で、約8割を占めた。25年シーズンも、今月12日時点の遭難者86人のうち69人が外国人だ。雪崩による遭難は20年以降で29人に上るが、いずれもバックカントリー中だった。
道警は、バックカントリー時の注意点をまとめたポスターを英語や中国語で作成し、SNSでの注意喚起にも力を入れている。担当者は「雪崩の起きやすい時期なので、できる限り山に行かないでほしい。天候や雪崩の情報を確認して、危険な場所には近寄らないことが重要だ」としている。